1998 年度以前に開催された研究会の記録


過去のメールに残っていた RACOT 研究会の報告書の抜粋です.
(多少修正しています.)
第40回次世代制御理論研究会(RACOT )
日時: 平成8年1月27日(土) 14:00−18:00

場所: 熊本大学工学部1号館電気系大会議室(1階西側)

参加者: 藤井, 和田, 村田, 松尾, 延山, 汐月, 辻野,
	 今井, 楊, 伊藤, 柴里, 水本(敬称略)

内容:
	14:00−15:30	輪講
	  担当: 松尾 孝美 先生
	    Optimization and Dynamical Systems; Helmke and Moore 
	    1.3 The Rayleigh Quotient Gradient Flow (p14-16) 
            の解説を丁寧に行っていただいた。

	15:45−17:30 研究発表
	  講師: 水本 郁朗 先生(熊本大学工学部機械工学科岩井研究室助手)
      題目: Basic Studies on the Simple Adaptive Control Systems
       学位論文としてまとめられた成果を分かりやすくお話し頂いた。
      適応制御とロバスト制御の関係について議論がなされた。

	17:30−18:00	RACOT打ち合わせ

	    水本先生が次回より RACOT メンバーに加わることが了承された.
	    次回の RACOT について
	        福岡市内で和田先生が幹事か?という案が提唱された.
	        4月中下旬で検討する。
		計装研究会の制御部会との交流についても検討する。

懇親会:18:30−20:30
          伊太利屋台  熊本市南坪井 5-16  TEL  096-352-3040


第39回 次世代制御理論研究会(RACOT)
日時: 1995年10月21日(土) 13:00−17:55

場所:〒820
      福岡県飯塚市川津680−4
      九州工業大学情報工学部制御システム工学科
      研究発表, 輪講:  研究棟 西棟6F 大学院セミナ室(W605)


参加者(敬称略,順は不同です):
                ~~~~~~~~
 和田、梶原、中野、松尾、汐月、延山、伊藤、今井、辻野 計 9名


内容:
 13:00−15:00  研究発表 "LMI-Based Gain-Scheduled Control
                                     of an Arm-Type Inverted Pendulum"
                              梶原 宏之 先生(九州工業大学)

     川崎重工製のアーム型倒立振子に対して、
     LMI based 設計法により2種類のコントローラを作成し実験を行なった。
     各々のコントローラは LTI モデルに基づくH無限大コントローラと
     LPV モデルに基づくゲインスケジュールドH無限大コントローラであり、
     後者の方がより広い角度で振子を安定化し、かつ制御性能が
     良いことを示された。合わせてMATLAB,SIMULINK,Real Time Workshop を
     用いた設計から実験までの効率の良い環境を紹介していただき、さらに
     LMI Toolbox のLMI solver としての評価を述べていただいた。

 15:00−15:30  休憩(コーヒーブレイク)
 15:30−17:25  輪講 "Optimization and Dynamical Systems" 1.3 節
                                U. Helmke and J. B. Moore
                          松尾 孝美 先生(大分大学)

    1.3 節のp.15の中ほどまでに記述されているレイレー商に
    関する結果(定理 3.1)の微分幾何学的手法を用いた証明を
    解説していただいた。その後本文の理解に必要となる
    微分幾何学のいくつかの概念を付録C.2,C.3,C.5 に
    基づいて解説していただき、合わせて関連文献を
    紹介していただいた。

 17:25−17:55 RACOT打合せ

   "Feedback Control Theory"の翻訳本の監訳者まえがきの
   最終確認を行ない、藤井、中野先生案のうち、{}部分については
   前者を選択し、2ページ目の江口先生に関する「特に、。。。」の
   部分は「特に,本書の完成を待たず急逝された江口氏には,
   訳本出版の契機となる草稿を作っていただいた.」として
   藤井先生にご判断していただくことになった。
   下本先生より問い合わせのあったNevanlinnaの発音は
   現行通りネバンリナとすることとした。
   また、監訳者まえがき中の「捉え直し」は「捕」でなく「捉」に
   することとした。
   さらに翻訳本の出版契約書の回覧を行ない、出版の見込みが
   12月初めであることが辻野先生より報告された。


第38回 次世代制御理論研究会(RACOT)
日時: 8月26日(土) 14時より24時30分

場所: KKR別府 翠山荘
        〒874 別府市南荘園町25組  (0977)21-1411

参加者(敬称略,順は不同です):
                ~~~~~~~~
     関(東芝) 藤井,和田,村田,今井,中野,梶原,延山,瀬部,伊藤,辻野,
汐月,柴里,松尾

内容:
  1.RACOTと「SICE 九州支部 制御理論とその応用に関する研究委員会」の共同
開催行事
    14時00分〜15時30分
     藤井隆雄先生(大阪大学基礎工学部)
       「ILQ設計理論のその後の拡張とCUI-based ILQ-CAD」

     ”参照入力を一般化したILQ最適サーボ系設計法”における工夫点
    (新しいパラメータの導入とその解釈等)とMATLAB下での
     ”CUI-based ILQ-CAD”(ビデオ)について紹介があった.
     
    15時40分〜17時10分
     関義朗先生 ((株)東芝府中工場 重電技術研究所)
       「ILQ設計理論を応用した冷間圧延機板厚張力制御の開発」

     冷間圧延機の実系のビデオによる紹介のあと,ILQ設計理論を
     板厚張力制御に適用する際の設計手順の説明がされた.ILQ設計理論
     により得られるゲインは実パラメータとの対応が直接的であり,また,
     直接システムの時間応答が設計できるということで,非常に使いやすい
     理論であることが紹介された.

 2.RACOT輪読
  17時30分〜18時30分
    延山 英沢先生(九州工業大学情報工学部)
         U. Helmke and J. B. Moore: Optimization and Dynamical Systems
   1.2 Power Method for Diagonalization
    Power Method(優越固有ベクトルの求解法)とRiccati方程式の解に
   対応づけた.また,Hamilton行列との関係が議論された.

 3.懇親会
  19時30分〜21時20分
   自己紹介をおこなった.

 4.フリートーク 話題提供
  21時30分〜23時00分
   松尾孝美先生(大分大学工学部)
          「Behavioral Approach について」
    Behavioral Approachはcontrollerをsystemの変数との
    interconectionとみなし,input/output settingのパラダイム
    とは違うもので,実際の電力系統や機械システムでも
    そういうシステムが存在するという紹介がされた.

 5,RACOT打ち合わせ
  23時00分〜23時15分
   次回:飯塚 幹事:伊藤先生,辻野先生(九州工業大学情報工学部)
   日時:10月中旬から下旬頃(梶原先生の都合のよい日)
   話題提供:梶原先生(九州工業大学情報工学部)
   
 6.DSTシンポジウムプログラム編成お手伝い
  23時30分〜24時30分
   今秋にあるDSTシンポジウムのプログラム編成の手伝いをおこなった.


第37回 次世代制御理論研究会(RACOT)
日時: 6月10日(土) 14:00より

場所: 「アドベンチャーセンター森の家」(添田町林間休養休憩施設)
	〒824-07 福岡県田川郡添田町大字英彦山  (0947)85-0211

参加者(敬称略,順は不同です):
		~~~~~~~~
	和田,中野,辻野,伊藤,村田,松尾,瀬部,汐月,延山,楊,今井

内容:
 14:00−15:30	
	●研究発表 瀬部 昇 先生(九州工業大学情報工学部)
	「分散制御から見た古典制御と現代制御との掛橋」

	逆ナイキスト配列法・直接ナイキスト配列法といった方法を現代流に解釈し、
	ベクトルノルムとして1ノルムや∞ノルムを用いたスモールゲイン
	の評価による十分条件として捉えられることを述べた。2ノルムの
	誘導ノルムを導入すればこれは構造化特異値の解析の問題と結びつき、
	従来よりも保守性の少ない安定条件が得られることを数値例で示した。
	また既約分解表現の立場から逆ナイキスト配列法・ナイキスト配列法の
	違いを論じた。

 16:00−18:30
	●輪読 担当 延山 英沢 先生
	U. Helmke and J. B. Moore: Optimization and Dynamical Systems
	1.1-1.2(途中まで) Appendix C(一部)

	最適化の計算をある動的システムの高速求解により行おうとする
	アプローチがテーマである。主要な関心は与えられた問題の解を
	与えるような動的システムをどのように見いだし捉えるかという
	ことが主眼のようである。キーワードは Gradient Flow。微分幾
	何についての知識が輪読の上では今後必要になると思われる。

	今後の輪読の進め方は、1章を読み終えた時点で再検討する。

 18:30−20:30 夕食・入浴

 20:30−22:30
	●フリートーク 話題提供 松尾 孝美 先生
	  「Behavioral Approach について」
	入出力関係に代わる、システムの捉え方の新しいパラダイムである
	Behavioral Approach の概略について説明があり、Willems らの
	基礎文献についての紹介があった。
	
	参加者からは、やっぱり難しい。状態空間表現やディスクリプタ表現
	と何がどう違い、どんな利点があるのか、などといった率直な疑問が
	多数投げかけられた。次回に再度検討する。


	●RACOT話し合い

	・次回(38回)RACOTは、8月26日(土)に
	大分県日出(ひじ)で開催することが提案された。幹事は松尾先生。
	・次回の内容は輪読・研究討論のほか、東芝の関先生を講師として招く案が
	出された。
	・訳本は版権交渉の成立後に印刷に入るため、早くて7月末になる見込みと
	の連絡があった。

	・なお、今回より新たに瀬部昇先生を RACOT 会員としてお迎えすることに
	なりました。


Noboru SEBE
Last modified: Tue Jul 14 17:12:20 JST 2009