研究会 (1999 年 9 月 29 日)

主催: 九州工業大学


講  師: 津村幸治 講師 (東京大学大学院工学研究科)

講演題目: モデル選択・推定問題と制御系設計

日  時: 9 月 29 日(水) 13:30〜15:30

場  所: 研究棟 7F 知能セミナー室

講演概要:
 近年ロバスト制御の分野において,システムの不確かさおよび制御系の性能
に関する,何らかの意味での確率的評価を取り入れることの必要性が論じられ
ている.これは一つには,同定による推定パラメタの不確かさの保守性を回避
するため,いま一つは,解くことが困難なロバスト制御系設計問題に対する,
モンテカルロ法の導入などがその動機となっている.特に制御系の確率的評価
を行う際,次数などのコントローラの複雑度と,閉ループ系の性能の信頼度は
相反するであろうことが予想される.
  以上を踏まえて本講義では,制御対象に関するデータを用いた,制御対象の
モデリング,不確かさの集合の特定,制御系設計を統一的に扱う手法について
説明し,そのための制御系設計を考慮したモデル選択・推定に関する妥当な情
報量規範を導く.これは基本的に AIC/TIC に準ずるものであり,コントローラ
およびそのクラスの選択にも影響される.その解析から,モデルの複雑度のみ
ならずコントローラの複雑度が,モデルの推定結果および制御系の性能に影響
を与えることを示す.

                               世 話 人: 瀬部 昇 (知能, 内線 7621)
                                         延山英沢 (制御, 内線 7728)

Last modified: Sun Nov 12 16:41:14 JST 2006