研究会 (2004 年 6 月 11 日)
日時: 6/11(金) 14:00〜17:30
場所: 九州工業大学天神サテライトキャンパス Kyutech Plaza
http://www.ims.co.jp/shop/shop/11_04.html
http://www.kyutech.ac.jp/plaza/
講演: 1. リニアスライダの適応型H∞摩擦補償制御
(佐賀大学 佐藤和也, 14:00〜15:30)
2. 制御工学における Sum of Squares の利用と可能性について
(九州工業大学 市原裕之, 15:45〜17:15)
懇親会: 18:00〜20:00
Kirin Lun Chan (IMS 12F)
参加者: 延山, 大屋, 伊藤, 市原, 瀬部 (以上九工大),
和田, 楊, 金江(以上九大), 佐藤(佐賀大)
講演概要:
1. リニアスライダの適応型H∞摩擦補償制御
(佐賀大学 佐藤和也, 14:00〜15:30)
ナノメートルレベルでの精度が求められる超精密位置決め装置の制
御では,物体間に働く摩擦力が制御性能に及ぼす影響を考慮し,摩擦現 象を
より精密にモデル化して補償することが求められている.近年,2つの物体が
面接触する場合の摩擦モデルとしてLuGreの摩擦モデルが提案され, 様々なア
プローチで補償する試みがなされている.従来までに未知パラメータを適応的
に推定し,非線形特性をニューラルネットワーク(NN)を用いて近似 する手法
が提案されているが,制御入力が振動的になるなどの問題点が指摘されている.
そこで,$H_{\infty}$制御系を逆最適性に基づき構成す る手法が提案され,
実験的に従来までの問題点が解決できることが検証されているが,未知パラメー
タやNNモデルにおける重みを,誤差信号に応じた積分型 の推定則により推定
しているため,目標軌道を周期的な信号にするとゲインの増大により,制御応
答が発散するという可能性がある.本報告では推定則を修正 することにより,
その問題点が解決されることを実験的に示す.
2. 制御工学における Sum of Squares の利用と可能性について
(九州工業大学 市原裕之, 15:45〜17:15)
近年,多変数多項式の大域的な非負性を判定する
問題を半正定値計画に帰着させる手法が Parrilo により示された.
これを利用して,多項式計画の緩和問題が効率よく解けるようになった.
本報告では,この手法に基づいたパラメータ依存 LMI 問題など
制御工学の問題へのアプローチの仕方を紹介する.
また,Parrilo の手法と双対の関係にある
Laserre が提案する手法から BMI 問題を解くための可能性について考えてみる.
Last modified: Thu Aug 4 09:10:08 JST 2005