研究会 (2007 年 06 月 12 日)

SICE 九州支部 制御理論と応用に関する研究会 共催
日時: 6/12(火) 14:00〜18:00

場所: 九州工業大学天神サテライトキャンパス kyutech プラザ
http://www.ims.co.jp/shop/shop/11_04.html
http://www.kyutech.ac.jp/plaza/
講演: 1. モデル予測制御による自動車の障害物回避へのアプローチ
       (九州大学 向井正和, 14:00〜15:45)
    2. システム同定の基礎とコツ
       (慶応義塾大学 足立修一, 16:00〜17:45)
懇親会: てんやわんや山崎鮮魚店2 18:30〜
      (福岡市中央区今泉1−21−3ラガッツァ天神2F)
      (tel: 092-716-6444)
参加者: 足立(慶応大), 宮元(三菱重工), 國松(熊大), 佐藤(佐賀大),
     和田, 川邊, 向井(以上九大), 延山, 伊藤, 瀬部(以上九工大)
                          (以上敬称略)
講演概要:

1. 日本の交通事故の件数・負傷者数は年々増加している.その中で,
歩行者・自転車の事故数は,高い割合である.交通事故の問題を扱う
方法としては,交通事故の起きる状況を自動車と障害物の衝突として
捉え,障害物を回避するための自動車の軌道生成を考えるという方法
が存在する.本研究では,等速直線運動する移動障害物を例に,道路
環境という制約下において,移動障害物を自動車が回避する経路を自
動生成するという課題を考え,その一つの解決法を提案する.ここで
は,障害物を自動車が入ってはならない禁止領域として不等式で表現
することにより,移動障害物の動きを記述し,問題を0-1変数を含んだ
混合整数計画問題として定式化する.この禁止領域を用いることで,
自動車の進入を禁止する領域つまり障害物と接触しない軌道の領域か
ら最適な軌道を生成することが可能となる.よく知られているポテン
シャルを用いた障害物回避では進入を禁止する領域を厳密に設定する
ことができないが,今回の禁止領域を用いれば厳密に自動車の進入し
ない領域を設定することができるため有用である.さらにモデル予測
制御の方法に従い,この回避軌道を求める手順を各時刻で繰り返すこ
とで,移動障害物の動きに合わせた最適経路を生成する.これにより,
移動障害物を回避する最適軌道を求めることが可能になる.

2. ロバスト制御やモデル予測制御などさまざまな高度制御理論が提案
されているが,それらの制御理論を実システムに適用するためには,
対象の数学モデルが必要になる。この過程はモデリングと呼ばれ,制
御系設計の中でも最も重要なステップの一つである。モデリング法と
しては,対象の物理・化学法則に基づく第一原理モデリングがよく知
られているが,対象の入出力データからモデリングを行うシステム同
定法も最近注目を集めている。
本セミナーでは,システム同定理論の初心者を対象に,数式を多用す
ることなく,システム同定の基本的な手順を紹介する。つぎに,シス
テム同定のいくつかの適用例(人工衛星,自動車,ヘリコプタなど)
を紹介する。最後に,システム同定を行う際のいくつかの「コツ」を
紹介したい。

Last modified: Wed Jun 13 13:11:00 JST 2007