研究会 (2018 年 06 月 02 日)

SICE 九州支部 制御理論と応用に関する研究会 共催
日時: 6/2(土) 14:20〜17:40
   (開場 14:00)

場所: アクロス福岡 703 会議室
   (九州工業大学のサテライトではありません. ご注意を.)

講演1: カーネル法に基づくシステム同定のための入力設計
    (藤本悠介, 北九州市立大学; 14:20〜15:50)

講演2: 安全性とタスクの両立を保証する受動速度場制御
    (福井善朗, 九州工業大学; 16:10〜17:40)

懇親会: 18:00〜
    天神じゃんぼ
    福岡市中央区天神1-12-3 天神木村家ビル3F
    tel: 050-5877-7572

参加者: 楊(茨城大), 菅野(新潟大), 椿野(名大), 蛯原(京大), 増淵(神戸大), 西村(鹿児島大),
    松尾(大分大), 國松(熊本大), 佐藤(佐賀大), 永原, 藤本(以上北九大), 松井(福工大),
    川邊, 湯野(以上九大), 延山, 大屋, 伊藤, 福井, 瀬部(以上九工大)
                            (以上敬称略)

問合せ先: 瀬部昇 (sebe[a]ai.kyutech.ac.jp)

概要

1. システム同定において自由度の高い(パラメータ数の多い)モデル構造を用いる
   と,多様なシステムを近似できるようになる一方でノイズの影響を大きく受ける
   ようになる.近年,機械学習のカーネル法のアイデアを取り入れてノイズ耐性を
   高めつつ,パラメータ数の多いインパルス応答を推定する方法が提案された.本
   発表では,このカーネル法に基づくシステム同定のための入力設計方法に関する
   議論を行う.入力設計はモデルの精度を左右する重要な問題であり,最尤推定を
   基礎とする予測誤差法に関しては豊富な既存研究が存在する.しかし,カーネル
   法に基づくシステム同定は最尤推定を用いておらず,新たな入力設計法が要求さ
   れる.本発表では,発表者の提案したいくつかの入力設計方法について紹介する.

2. ロボットと人間が物理的に接触する人間機械システムに対し,安全性とタスクの
   実現性の両立が求められている.例えば,Continuous Passive motionなどの人間
   装着型のリハビリロボットを考えると,苦痛による回避行動はロボットは押さえ
   込まず,リハビリでほぐすべき人間の関節の粘性摩擦や痙縮症状は押さえ込み,
   リハビリタスクを達成することが求められる.
   このような安全性とタスクの実現性を両立する制御を実現すべく,受動性に基づ
   いた制御則が研究されている.Liらは受動速度場制御を提案し,その制御には,
   外力がない場合の目標速度場への追従性と外力に対する受動性が保証されている
   メリットがあることを示した.
   一方で,従来の研究では1)リハビリタスクをどのようにして目標速度場として
   記述するか,2)受動性(人間を押さえ込まない)と目標速度場への追従性(押
   さえ込みによるリハビリの達成)の自動的な切り替えについては議論されていな
   い.
   本発表では,多様体上で定義された非線形システムに対する大域的不連続フィー
   ドバック制御法を活用した受動速度場制御に対する目標速度場の設計法ならびに,
   受動性ならびに局所入出力安定性(Locally Input to output stability)が自動
   で切り替わることが理論的に保証された拡張型受動速度場制御について紹介を行う.


Last modified: Wed Jun 6 10:42:21 JST 2018