研究会 (2023 年 03 月 22 日)

SICE 九州支部 制御理論と応用に関する研究会 共催
日時: 3/22(水) 13:30〜17:30  (開場 13:00)

場所: アクロス福岡 606 会議室


講演1: 過渡応答データを用いた周波数領域での制御器調整法
    (松井義弘, 福岡工業大学; 13:30〜15:00)

講演2: 自動車制御系作品集 ー機械と情報と制御ー
    (川邊武俊, 九州大学; 15:30〜17:30)

懇親会: 18:00〜 侑久上海 THE BUND
    福岡市中央区天神1-10-20 天神ビジネスセンター B2F
    Tel: 092-707-2677

参加: 川邊, 和田(OB) (以上九大), 松井, 加藤(福工大), 畑田(福大),
   延山, 大屋, 伊藤, 福井, 瀬部(以上九工大)

                        (以上敬称略)

問合せ先: 瀬部昇 (sebe[a]ics.kyutech.ac.jp)

概要

1. VRFT(Virtual Reference Feedback Control)法やFRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)法などの
   データ駆動制御では,制御対象モデルの代わりに閉ループ実験により取得したステップ応答などの過渡
   応答データのみを用いて,参照モデルと実際の閉ループ系のモデルマッチングにより制御器調整を行う.
   このようなデータ駆動制御では,主として過渡応答データの持つ時間領域の情報が利用される.しかし,
   過渡応答データの持つ時間領域の情報だけでなく周波数領域の情報を活用すれば,閉ループ系の安定性
   や過渡応答データに含まれる雑音を考慮した制御器調整が可能となる.本発表では,時間領域でのデー
   タ駆動制御を概観した後,過渡応答データの周波数領域への変換法,周波数領域でのモデルマッチング
   による制御器調整法,さらに周波数領域での制御対象のモデリング法を紹介する.

2. 自動車は社会的な交通手段であるとともに,工業製品であり営利企業の商品としての側面を持つ.研究
   開発においては,ユーザーにどのような「価値」を提供できるのかが大きな論点となり,その経済合理
   性や,ともなうリスクについても慎重に議論される.自動車は広い技術領域の上になりたつシステムで
   あるので,議論の論点は多様であり,「価値」そのものの定義も容易ではない.そのため議論は容易に
   収束せず,技術者は大きな悩みに直面する.
   現代においては一般にも同様な状況があり,工学者一般が同様な悩みに直面する.そこで,制御システ
   ムにかかわりが深い機械,情報など隣接する領域にも目を配り,いくつかの自動車制御系を題材として,
  「価値」と技術,とくに制御技術の価値についての考察を試みる.


Last modified: Thu May 11 15:38:52 JST 2023